見守りサービス実証実験

[ 研究開発 ]

日之影町、訪問介護施設サンルーム西臼杵営業所、および住民の方にご協力をいただき、2015年5月12日より見守りサービス「you守り」の実証実験を開始しました。

見守りサービス実証実験の草創期

2004年から赤外線カメラによる「くらしの見守りサービス」普及を目指し実証実験を開始していたが、インフラ環境、個人情報等の課題に対し時期尚早と判断し実証実験を中断していました。

「you守り」の実証実験での運用イメージ

2015年から再開した見守りサービス「you守り」は、赤外線カメラを人感センサーや緊急通報ボタンに置き換え、さらにはサービスレベル向上を目指してコンタクトセンターを活用した監視体制を確立し、実証実験を再開しました。

対応の図
  1. 対象者宅に設置されたセンサーの検知情報は、リアルタイムにサーバーに送信されます。
  2. サーバーでは検知情報を随時解析し、生活異常が発生していないかを自動監視し、異常があった場合、コンタクトセンターに警報が通知されます。
  3. コンタクトセンターは、警報受信から、即座に対象者状況確認を行います。(連絡・警報状況確認)
  4. 対象者の状況が確認できない場合、担当のケアマネージャーにエスカレーションし、駆け付け等の対処を行います。

機器更新の変遷

  1. 草創期モデル 2003年11月 - 2004年12月

    センサー:赤外線センサー付きカメラ

    実証実験

    赤外線により人の動きを検知し、カメラで自動撮影する。撮影した写真は通信機器を経由しサーバーに保存するシステムを開発し、継続運転の実証実験を実施。本実証機器を活用した見守りサービスを進めるにあたり、インフラ環境がサービス提供できるまで整備されておらず、個人情報等の課題も社会問題となりつつある情勢から、時期尚早と判断し実証実験を終了した。

  2. 初期モデル 2015年4月 - 2016年3月

    センサー:人感センサー

    実証実験

    人感センサーを作成。居宅のどの部屋で動きがあったか(どのセンサーが反応しているか)を常時確認できるようなリアルタイム監視を実現した。同時に、見守り対象者の通常生活パターンを記録し、普段の生活パターンと異なる動きがあった場合、コンタクトセンターにアラームが上がり、監視ログを即座に判断、緊急連絡先等への通報を行うサービス全体の体制整備ができた。(いつもの起床時間に帰ってこない。居間から一向に動かないなどを確認できる。)サービス実現に向けたシステムと体制確立への方向性が定まったことから、事業化に向けての取組を開始することとなった。

  3. 打音センサー写真

    打音センサー

    2世代目モデル 2016年3月 - 2017年11月

    センサー:人感センサー 打音センサー

    実証実験

    打音センサーを用いることで、緊急通報ボタンを「押さない、持たない」緊急通報システムに向けた取り組みを実施。また、人感センサーは通信方法を有線から無線へと変更した。通信方法無線化により機器設置の簡易化が図られサービス開始時の効率化が図られたが、打音センサーは新素材による実験のためノイズ等による誤検知や、異常反応が発生し、カスタマイズや調整を行い実証事件中は精度向上の取組に集中した。

  4. 人感センサー写真

    人感センサー

    3世代目モデル 2017月3日 - 現在

    センサー:人感センサー 打音センサー 緊急通報ボタン

    実証実験

    センサー類のサービスレベル向上のため機器カスタマイズを進めるとともに、緊急通報ボタンを追加開発。打音センサーは、カスタマイズと精度向上に成功し、かつ小型化も実現、サービス開始をよりスムーズに行えるよう改善が図られた。ただ、打音センサーの誤検知の課題解決には至らず、改良対応を継続中である。

異常検知の事例

  1. 事例1
    2015年8月24日 「異常離宅」の検知

    「異常離宅」のメールをコンタクトセンターが受信。

    コンタクトセンターから対象者に連絡するが、連絡が取れず、担当ケアマネージャー様に連絡したところ、台風により避難の為離宅していたことが判明。

    無事に避難されていることを確認し、本検知事象についてはクローズした。(行政との連携の必要性を感じた。)

  2. 事例2
    2016年1月17日 「異常離宅」の検知

    「異常離宅」のメールをコンタクトセンターが受信。

    コンタクトセンターから対象者に連絡するが、連絡が取れず、担当ケアマネージャー様に連絡したところ、体調不良による入院の為離宅していたことが判明。

    入院で体調が快方に向かっていることを確認し、本検知事象についてはクローズした。(離宅時の情報連携の必要性を感じた。)

  3. 事例3
    2016年4月22日 検知不備

    コンタクトセンターで検知情報を解析し、「異常検知」が発生する事象をピックアップしきれなかった。再解析を行い、検知条件不十分の箇所を特定し、異常検知不要であることが判明。本件はクローズした。

  4. 事例4
    2016年7月3日・2016年7月12日 検知精度不備

    7/3コンタクトセンターは通報メールを受信。

    ログを即座に解析し、通知条件が満たしていなかったので継続調査。

    7/12コンタクトセンターは通報メールを受信。

    ログを即座に解析し、7/3と同事象であり、調査を継続した結果、監視プログラムの改修が必要であることが判明。

    改修プログラムをリリースし自動監視を継続している。